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プジョー松山

E-EXPERT CENTERは、Stellantisに認定された、トラクションバッテリーの脱着など電気自動車に関する高度な整備・修理作業に対応したサービス拠点です。

住所〒790-0047
愛媛県松山市余戸南2-18-22
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TEL089-973-2401

営業時間10:00-18:00

定休日毎週火曜日・水曜日

アクセス方法国道56号線沿い松山市内から松前方面へ向かった左手、出合大橋手前500m

スタッフブログ

樺太ししゃも

[2022/11/29]サービス   岡洋司
点検で車をリフトアップして、このショックアブソーバを見るとホッとするのは何故なんだろう。
樺太ししゃも
80年代半ばより90年代終わり頃まで国産の自動車メーカーは“日本初!”“世界初!!”
なんて謳い文句と共に如何に速く、(快適)な自動車で有るかをアピールすると共に他社の自動車を凌駕する事に力を注いでいました。
特に“速く”って事に力を入れて。
DOHC INTERCOOLER TURBOなんかは当たり前、可変バルブタイミングに可変排気デバイス 可変ショックアブソーバ‥‥
普段は快適に でもスポーツモードのボタンを押すと 普段より加給圧が掛りマフラーの音も勇ましくなり、足回りは強靭な筋肉の如く。マニュアルで無ければオートマチックの変速点は遅く成り出来るだけ引っ張るプログラムに。
豹変?そんな言葉がピッタリな車達が数多く制作されてました。
あ~、良い時代だったなぁ~♪
ある意味、あの当時の国産スポーツカーは本気だった。

そんなある日。
高級輸入車ディーラーの営業さんと話をしていて。
『ウチにはスポーツカーが無いから‥』
「えっ?ほら、あの車有るじゃない?」
『ああ、あれね、対外的にはスポーツカーって宣伝してるけど、スポーティカーやから』
「ん?いやいや、お家が買える位の車でしょ?スポーツじゃ無くてスーパーカーやん?」
『だからだよ、この車を買える富裕層の人が峠を攻めたりすると思う?胃下垂に成りそうなガチガチの足回りや運転するのに神経を使う様な自動車に乗ると思う?』
「う~ん、微妙やね」
『無論、速くないと話に成らないけど快適に速そうで、高速道路では良識的な範囲内でのスピードで負けなければ良いのよ。勿論内装もゴージャスで快適さが1番。』
スポーティクーペだねぇって笑っていた営業さん所の自動車にも勿論そのような豹変システムは装着されてはいたが。

時は流れ。
『あの~、このボタンなんですか?』
とお客様よりご質問が。
「あ。スポーツモードボタンですね」
『押すとどうなるんです?』
「オートマチックの変速が少し引っ張り気味に成りまして、メーターの表示の色が変わって‥‥TCSの介入に変化は有ったっけ?」
『あ!音が変わりました!マフラーも変わるんですか?』
「あ、いえ、可変排気デバイスは付いていませんので、この音は音響のスピーカから流れてる音です。」
『?‥‥』
「‥‥‥。」
沈黙。ちょっぴり重い雰囲気。

どうしてあの時、正直に
「ほら、ちょっと気分を盛り上げたい時ってあるじゃない?緩いカーブの続く景色の綺麗なワインディングロードっぽい山道とか、海岸線とか。初めてのデートで彼女にカッコ良いとか見せたい時とか‥そんな時にお手伝いしてくれるボタンです!」
言えなかっんだろう。

90年代を体験して来ているから、ちょっと嘘をついてる様な感じがして嫌だったのかな。

お寿司を食べてて、蒸してふっくらしたアナゴ食べたいな~って時に
『もっちりこってり香ばしく焼けたうなぎです!』
って出されても嫌じゃい?
みんなでワイワイガヤガヤバーベキューしてて
『本ししゃもです、じゃんけんで勝った人だけどうぞ』
ってなるくらいなら樺太ししゃもをいっぱい焼いて
「味変にどうぞ」って方が楽しいじゃない?
サラダにだってカニカマが入ってるのと入って無いのとでは入ってる方が嬉しいじゃない?
と今ならわかるんだけど。

それでも、リフトアップして可変ショックアブソーバを見る度にホッとしている自分が居る。
樺太ししゃもが大好きなサービスの岡でした~♪